『お父様と私』

【そのにじゅうく】 作・何処


『…私の出来る事はここまでだ。後は君達に任せる。では諸君の健闘を祈る。』

「「げ!」」「…了解。」

画像が消え、明かりが点く。振り返った作戦部長は“い〜やんな感じ”に固まった二人のパイロットと無表情のパイロットを目撃、予想通りの反応にため息を吐いた。

(ま、それはそうよね…にしても良かったわぁ…シンちゃん、お父さんに似なくて本っっ当ぉ〜に良かったわ〜…唯さん、貴女の最大の過ちはあの髭を婿にした事ね…でもいいわ、最高の成果はシンちゃんを産んでくれた事よ!有難う!有難う唯さん!)
…なんか内心すっげえ失礼ぶっこいてるなFカップ、そりゃ無いだろ…

「…とはいえこのままって訳には行かないわね…おーいシンジく〜ん、アスカ〜、そろそろ現実に戻って来て〜。」
「…ご、極悪…」
「…なんか真面目に犯罪行為に勤しむテロリストの皆さんが気の毒に思えて来たわ…」
「…流石司令…全て予測済みね…」
「それにしてもシンジ…あんたの父親って…」
「…出来れば言わないで欲しい…多分僕も同意見…」「…気を強く持ってね…」
「?」

第三新東京総合病院、第五診療室。煙草を燻らせ通信を送るエロ博士

「やかましい。」
「…誰に話してるんです?」
「気にするな、じきEカップが来る。顔と声変えててもそろそろ消えた方がいい。なにせあいつは優秀だからな。こいつは指令書、確かに渡したぞ。」
「了解。先生も煙草はまずいですよ、では失礼。」
「…四階の窓から消えるなよ…怪しさ大爆発だろうが…ったくだから坊やなんだよ…おっと返信か。」
窓を開けたまま吸殻を空き缶にねじ込み、端末を開くエロ…女博士。
「…明日予定通りLCL10t第3純水プラント用タンクに第三回搬入、地下にて組み立て中の予備エントリープラグは本日18時完成予定、正副両電源接続は完了、予備の電源車は手配済みと…マギとの秘匿専用回線臨時敷設は終了、試験通信は異常無し…か…」

窓の向こう、傾いた太陽に目を細め彼女は呟く。

「…うん、悪くない…B級アクションやサスペンス物も面白かったが…今も悪くない。」
「…先生何独り言呟いてるんです?映画ですか?」
「ん?来てたか…ああ…まあ、な…。」
「…先生ここ禁煙、全くライター全部隠したのに何処から見つけてきたんですか。」
「あ〜煩いな…ってお前かー!道理でいつもいつもライターが無くなると思ってたんだ!こらEカップ!人のライターどこに隠した!」
「逆ギレしないで下さい、だいたい患者さんに禁煙奨める立場の人が…」
「ちっ、このEカップは…『はい少し期待してました』ってあの可愛げをマコトちゃんだけに向けるなよ全く…」
「だから胸で呼ばないで下さい、可愛げなんて患者さんとマコトさんだけに向ければ十分…あ。」
「…」
「…」
「久々に赤面したぞ…」
「…私もです…」
「明日も会えないんだろ、今日は早上がり、奢りだ!飲み行くから付き合え!」
「はい、お供します。」


謎の大型トレーラーの運転席。査察官が煙草を燻らせ通信を傍受中…

『マナ…ぢゃねーマリ〜。、』
『なあに蟻。』
『だからアリとアントン引っ掛けて呼ぶなよ…全く格闘技マニアが喜んぢゃうじゃないか…』
『…は?』
『…そのネタはマナ…っとマリーにはきついぞ格闘技オタク…』
『うるせえジョジョ』
『ズギャーン!?』
『…ねえ一体何の話?』

加持、大爆笑中。

「…いや、微笑ましいねえ…って来たな…『ピーッ、皆聞こえるか、今南東より大型機が接近中だ、ステルスモードで待機しろ。パラシュートでバッテリーを投下する筈だ、このトレーラーは奴等のバッテリー回収用装備品だ、IFFは反応している、もうじき来るぞ…』…さあて、護衛の機動歩兵が何機来るか…搭載に二機は間違い無いが…」
『機体を確認、パラシュートは五つ!』
「ふうん…足止めの二機、搭載作業の二機はそのまま海まで護衛か…『聞こえるか、降下中の機動歩兵はバッテリー搭載作業の二機がここに留まり、二機は足止めにトラップを仕掛けに出る筈だ。隙を見てバッテリーの電極に絶縁剤をかけろ、それで十分時間は稼げる。』」
『あたし制服に着替えるわ、折り畳み自転車用意して。』
『『マナ!?』』
『だからマリーカ…あたしが囮に適任よ、トリモチランチャーの操作は任せるわ、いざとなったら絶縁剤が詰まった制汗スプレーもある、止めないでよ…。』
『止めないが…気をつけろよ。』
『ランチャーよりこいつで直接塗った方が確実だな。マ…マリー、頼んだぜ』
「『では奴等に動きが無ければ15分後に頼む。囮に引き寄せられた所でステルスモードで接近、電極に絶縁剤塗布、離脱しろ…秘匿回線で本部に画像は転送している、いいか、奴等に作戦が順調に推移していると思わせるんだ、では以後通信を封鎖する。行け!』…さあて無人の筈のトレーラーに居座る訳にはいかんか…ニンジャスーツ着るのは久し振りだな…」

「…派手に暴れようと思ってたんだがなぁ…」
「…なんつうか…意気込んで出てきた割に…」
「…あんたら気楽ね…」
「…しかし厄介だな…内蔵バッテリーとビニールハウスに偽装した充電設備で三時間は隠れてられるが…」「エンジン掛けずに内蔵バッテリーだけのステルスモードだと約25分…正味動き出して20分が勝負だな」
「短期決戦ね。いざとなったら私を無視してバッテリーを破壊して。本体は無理でもソケットは機載兵器で破壊できるわ。」
「「マナ!?」」
「大丈夫よ…だって碇指令と加持監察官から『死ぬな』命令だもの、命令違反で重営倉は御免だわ。」
「五点。つまらん。」
「やり直しを要求する。」
「…ごめんなさい…処で皆、今夜の食事どうする?あたしはお寿司!回転寿司よ回転寿司!ああサラダ巻き待っててね!」
「お、俺カツ丼!揚げ物万歳!」
「すき焼き!邪道と言われようと食い終わった後のうどんすきは外せない!」
「たい焼き!」
「たこ焼き!」
「お好み焼き!」

東海林さだおかおまえら…

【つぎはインターミッションさんでーす。】


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