超少女ミラクルスーパーアスカ

written by こめどころ



「さあっ、ここにありったけの金を詰めるんだ!」

3人組みの古典的銀行強盗がバックを投げて寄越した。隙をうかがって飛び掛かろうとしていた若い行員達も、あきらめて袋に金を詰め始めた。
その時表のシャッターがばりばりばりっと音を立てて、あっという間に引き千切られた。

「な、なんだっ!!」

強盗はショットガンや、ライフルを構え直す。次の瞬間、ロックされたガラスが粉々に叩き割られた。ぐしゃぁあっと歪んだガラスの中から大きなつばめのような影が飛び込み天井の送風機に逆さまにぶら下がった。
長い金髪と真っ黒なマントがバサッと下向きに流れる。
顔には黒い半マスク。手には長い鞭を持っている。そして細身のすらっとした身体には、今にも胸が弾けそうなダイナマイトバストを包む、真紅のぴったりとしたレオタード。黒いストッキングに踵の高いショートブーツ。

「な、なんだおまえは・・・危ない格好しやがって!!」

強盗犯はいっせいに前かがみになって叫んだ!金を詰めている行員達もいっせいに前かがみに。

「はーっはっはっは!私こそは正義の使者ミラクルスーパーアスカ!!」
「おまえ、言ってて恥ずかしく、ないか?」

強盗の一人がぼそっと言う。しかしその声は針の落ちる音も聞き逃さないアスカイヤーにはしっかり届いていた。ぴくっとアスカの額にムカマークが浮かぶ。青い瞳がぎらりと光る。

「天誅!!」

アスカの長い鞭がうなると、その男は額から股間までを真っ直ぐに一鞭当てられて、白目をむいて、ばったり倒れた。

「て、てめえ、やりやがったな!!」

大型のライフルがドカンドカンとアスカに撃ち込まれる。

「ざまあみやがれ!こいつは中に水銀を封じたフォローポイント弾だ!!」

破壊力抜群の銃弾が送風機をぶち抜き天井に大穴をあけた。しかしアスカは毛ほどにも感じなかったようだ。高い天井からふっと足をはずして一気に顔から床に突っ込んだと思うときゅん!と舞い上がり、とおりぬけざま犯人をぶん殴った。そいつは向こう側の壁まで吹っ飛んでいって見事に壁にめり込んだ。

「そんなものがアタシに通じると思っているのか?ふっ、正義の鉄拳を食らえ!!」

もう食らってるって。最後の男があわあわ叫びながら一目散に逃げていく。アスカはその男に目をやるとバブル・シールドと呼んでいる光線を目からぴーっと放ったのであった。男は大きな風船型のシールドに完全に封じこめられた。

「くそっ、だせーーっ!!」

「あっつはははははは!」

アスカは行員の人々に言った。

「もう大丈夫です。何かあったらまたおよびください。」

「また来るつもりらしいわよ。」
「エー、困ったわね。」
「悪い人じゃなさそうだけどああいう人に何回も来られると銀行の信用が。」
「うむ、こまったことだ。」

パパイヤ銀行ネルフ横丁支店の支店長が皆を代表して立ち上がった。


「えー、ミラクルスーパーアスカさん?」
「なによ。」

みんなの声が聞こえていたアスカは機嫌悪そうに答えた。賞賛されると思ってたのに。

「えー、今日はまことにありがとうございました。これはほんのお礼の印ですがどうぞこれでおひきとりを・・・。」
「なによそれは・・・・。」

ミラクルアイでこの中身を透かして見ると、箱の中はぎっしりと詰まったイカリ屋の苺シュークリームであった。急に機嫌が良くなったアスカ。大好物なのである。じゅるっ、よだれを懸命にこらえる。

「へ、へへへへ。いやあすいませんねだんな。またどうぞ御贔屓に。」

だらしなく破顔して、ぺこぺことシュークリームを受け取る。示しのつかないことおびただしい。

「それではみなさん、さよーならーーっ!!」

ミラクルアスカはつむじ風となって屋外に出ると、たちまち青空の彼方に消え去った。

「はあ、無事帰ってくれたか。」

安堵のため息をつく行員の人々。なにしろミラクルスーパーアスカに助けられると後がたいへんなのだ。
銀行強盗といえども、2,300万を渡し、今これしか現金がないといえば大抵はそれを持って出ていくものだし、捜査が電子化された現在では、渡した現金は全部、ナンバーも控えられて、使えば即逮捕。周囲の道にしても全て市内ではオートトラフィックカーシステムで管理されているので、警察をまくことはできない。つまり、この手の犯罪の検挙率は、100%に近く、解決までの時間も12時間を切っているのがこの時代であった。
そこに現れたのがアスカである。古いタイプのヒーローである彼女は20世紀だったら喜ばれたであろうが、今では単にはた迷惑な存在でしかなかったのであった。とはいえ、正義のために戦っている彼女の行為をむげにできず警察では市民協力者として優遇している。結局つけは助けられた側に回ってくるのであった。

「支店長、修繕費の見積もりです。」


正面大型シャッター取り外し、新品購入費用及び工事費・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2206万
正面大型防弾クリスタルガラス改修費用、工事費用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3128万
正面玄関外壁破損分修繕費用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 732万
一回送風機修理取り付け費用及び天井張り替え・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1152万
謝礼(イカリヤシュークリーム)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5500円


支店長は頭を抱えた。本部からの厳しい指導は間違いのないところだった。




ガシャンガシャーン。深夜宝石店に強盗が押し入っている。派手に掃除機で宝石を片っ端から吸い取りバックに詰めていく。
当直のガードマン、宝石商の社長、その他居残っていた人々はことごとく縛り上げられている。しかし吸い取られた宝石の中の何個かの値札には超小型発信機が取り付けられている。これですぐにアジトは割れ、事件は解決するであろう。

「みんな、心配しなくていいぞ。落ち着いて行動すればいいのだ。」

と猿轡をされながらも店員達に向かって目で語り掛ける社長。社長は男らしい落ち着いた態度を崩していない。店員達は社長を信頼の目で見詰めている。この人についていけば間違いはない。
だがそこに、高らかな笑い声が響き渡ったのであった。社長は思わず目をつぶった。ああっ、もう駄目かもしれない。

どかーん!!

天井が突き破られてスーパーアスカが飛び込んできた。夜空に瞬く星が見える。このビルは5階建て。屋上から突っ込んできたらしい。
なぜわざわざ天井を突き破ってくる必要があるのだ?横の壁を破れば修理は一個所で済むのにな。社長は思わずため息をついた。

「はーっはっはっは!私こそは正義の使者、人呼んで、ミラクルスーパーアスカ!!」
「おまえ、言ってて恥ずかしく、ないか?誰が呼んだって?」

長い金髪と真っ黒なマントがバサッと振り払われた。顔には黒い半マスク。手には長い鞭を持っている。そして細身のすらっとした身体は、今にも胸が弾けそうなダイナマイトバストとともに、真紅のぴったりとしたレオタードに包まれている。妖艶なまでの形のいい唇に、男ならだれしもがくらっとなりそうな、悩殺的な腰のラインから流れるような脚線美。いっせいに社長も含め男達は腰を引く。

「ふんっ!馬鹿みたい!」

一人だけ残っていた女子店員が膨れて、ぷいっと横に顔をそむける。

「さあて、今日は宿題もあるから、さくさくっと片をつけるわよっ!!アスカファイアーーーーッ!!」

いきなり口から火を噴くミラクルスーパーアスカ。たちまち強盗団一味は火だるまになって転げまわる。

「ぎゃああ!あちちちちちち!!た、助けてくれえっ!!」

そのすきに、10人余りの強盗団を全て殴り倒したアスカは、にこにこしながら店員達の縄を解く。

「さあ、みなさんのミラクルスーパーアスカが助けにやってきましたよ。もう大丈夫ですからね。」
「複雑な顔で、それでも礼を言う店員達。」

最後に社長の縄を解いたとたん、社長は猿轡をかなぐり捨てて叫んだ。

「馬、馬鹿っ、みんな急いでバッグの火を消すんだ!!」

犯人たちの火は消したが、バックはまだめらめらと燃えている。はっとした店員達がバッグに飛びついて火を叩き消す。

チャックを開けた社長の口から声が漏れた。

「あ、ああああああ〜〜〜、も、もうだめだーーーーー。」

中に入っていたダイヤモンドはことごとく黒焦げになり、ぶすぶすとくすぶっていた。そして、この店の売りである、世界でも何番目かの巨大ダイヤである、「かもめのたまご」も、赤くなって火を噴いていた。こうなると単なる石炭に過ぎない・・・。

「わははははは〜〜〜!!!誰か芋を持ってこーい!!いしやきいもするぞおおーーーっ!!」
「わーーっ、社長、気を確かに。誰か医者を呼べーっ!!」

騒ぎが収まった時、ミラクルアスカの姿は忽然と消え去っていたという・・・・。
3日後、目抜き通りのその店には、「長らくのご愛顧ありがとうございました・・・。」の張り紙と「貸店舗」の札が風に揺れていた。




がた・・・・。微かな音にその部屋で待っていた男達は立ち上がろうとした。

「そのままで動くな。用件を聞こう。」

「き、きみがゴロゴか?あの世界一のスナイパーのゴロゴ13の・・・。」

男の声が遮る。

「もういい。世界一かどうかは知らん。興味もない・・・。ただ、すべての依頼は完璧に実行してきた。それだけだ。」
「そ、それでじゅうぶんだ。君に依頼したいのはこの件だ。」

写真を渡そうと振向きかけた男が殴り倒される。

「なっ、なにをする。」
「すまん・・・。ただ俺は人に顔をさらすほど、自信家じゃあないんでな。」
「そ、そうか。そういう約束だったな。すまん。」

今度は後ろ手に写真を渡す。

「これがどうした。まだ少女のようだが。」
「いや、これがどうして、ええ身体してましてなあ。ごっつえー女なんですわ。」
「もう、総立ち、という感じでしてな。ひっひっひ。ぼいーんぼいーんと。」

なぜか突然皆、似非関西弁になる。

「で、それがどうしたのだ?」
「やって欲しいのです。こいつは、こいつは・・・我々の商売の障害になる!!」
「理由はどうでもいい・・・こいつを殺ればいいのだな。」
「こ、これがこいつの分かっている限りのデータです。」
「金髪、碧眼。身長160センチ弱。バスト95、ウエスト60、ヒップ90?武器は鞭と、超絶美貌?全ての男は即時に行動の自由を奪われるアスカダイナマイト。ウルトラサーチアイ、アスカイヤー、バブルシールド、口から火を吐く、怪力、空を飛ぶ、甘党。後先考えない決断力。何者も省みない行動力。なんだこれは、本気で書いてるのかっ?それともゴジラの身上書か?」
「おいかりはごもっともですがっ、こ、これは全てまじめに書いたものです!!」
「信じられん・・・これで人間とは思えんな・・・。これを殺れというんだな。」
「そうです。この悪魔の女をやって欲しいのです。お引き受け頂けますか。」
「まあ、いいだろう。報酬は例のところへたのむ・・・。」
「は、はい!ありがとうございます。」

男達はぞろぞろと部屋を出ていった。しばらくして、奥のカーテンの裏から現れたのはまだ少年の面影を残す若い男だった。

碇シンジ。18才高校3年。イカリケーキ店の跡継ぎ息子でもあるが、先々代は有名な殺し屋、スナイパーゴロゴ13であった。
だが今だに世界中からの要望に応えておじいちゃんは頑張っていた。それを知っていたのは孫のシンジだけ。
だがこの祖父もつい先日、あの世からお呼びがかかり行ってしまった。最後の遺言が「受けてしまった仕事の後を頼む。」であった。
現在ケーキ屋のオーナーは父ゲンドウであったが、その特殊な容貌から、彼は表の店には顔を出せなかった。以前うっかり顔を出した時はあそこのケーキ屋には毒が入っているだの猫ミルクでクリームを作っているとかいうよからぬ噂が立ち、3ヶ月間客足が途絶えたことがある。結局この店は祖父と娘のユイが切り盛りし、ゲンドウは調理場に入ったきり出てこないことになった。とことん悪党面なのである。ゲンドウが街を歩くと周囲の子供は泣き喚き、犬は吠え、女は卒倒し、店はシャッターを下ろし、巡査が走ってくる。
だが彼の心は針に様に繊細でありガラスのようにもろかった。そこになんとゴロゴ13の娘はべたぼれになり、親の反対を押しきって結婚してしまったのである。


「かわいいひと、なんです。」

そうかぁ?


「ああ、なんとか爺さんの声真似ができたぞ。この変声機付きマイクスピーカーはなかなか便利だな。ふーん、超少女ミラクルスーパーアスカかあ。しかしこれ・・・なんとか調べをつけないと・・・。なにせ、爺さんから引き継いではじめての仕事だからなぁ。」

碇シンジ。全国高校クレー射撃部門前年度まで2連覇。これもすべてゴロゴ13のマンツーマンの仕込みのおかげである。おそらくいつ全日本の代表になっても不思議はない。世界レベルの腕である。だがその事は祖父の仕事がやりにくくなることに結びつく。
そのため、祖父存命中は、最後の一発を必ずはずして2位と1位が混在するように調整していた。事情を知らない新聞や専門紙は「ガラスの心臓」とか「心の成長が今一歩望まれる」とか勝手なことを書き立てているが、見当違いもはなはだしい。

「だけどこんな可愛い女の子の命を狙うのは気が引けるな。僕とたいして年も変わらないだろうに。」

シンジは今一つ釈然としなかった。祖父は晩年は罪滅ぼしの意味もあって、本当に悪いやつしかターゲットにしなかったのだ。

「爺さんもなんでこんな仕事を引き受けたんだろう。」





「おはよう!」
「ぴきぴきっ!」
「おはようございまーすっ!」
「あーだー。」
「だうまうっ!」
「およっさす!あっさす!」
「だうっ!だうっ!」
「おっ!おっ!」

動物園ではない。平凡な高校の朝の挨拶風景である。昨日も夜遅く迄チャットに嵌まっていたシンジはふらふらと席に就いた。
フワッと、いい香りがした。隣りの席の惣流が、シンジの顔の近くに目をつぶって顔を突き出している。美少女の突然の攻撃にがたがたっと椅子を鳴らして仰け反るシンジ。

「な、なんだよっ、急に。キスならしてやらんぞ!!」
「なあに馬鹿いってんの。何が哀しくてあんたにキスしてもらわなきゃいけないのよ!いい匂いがいつもこの辺からするなあって思っただけよ。」
「ぁ、それってケーキのエッセンスの匂いじゃないか?」
「そうそう。そんな匂いよ。私ケーキには目がないんだぁ。」

ウットリとした顔をする惣流アスカ。この金髪の美少女は半年ほど前から交換留学ということでアメリカからやってきたのである。

「地球っていいところよねえ、ケーキなんて素敵な御菓子があるなんて・・・・。」
「ぁ、それ僕の匂いだよ。」
「なんで?!なんであんたがケーキの匂いなのよ。雑巾の匂いの間違いじゃないの?」
「いや、単に僕のうちがケーキ屋だっていうだけなんだけどね。どうしても移り香がね。・・・何だよ、雑巾の匂いって。」

惣流はばたばたと目の前で慌てててを振った。

「い、いやーねー、言葉の綾ってやつよ。細かいこと気にしない!で、ケーキ屋さんなの!本当に?」
「ほんとうだよ。ほら馬車道のアンカーのマークのケーキ屋があるだろ。あそこ。」
「え、えええええええーーーーーーっ!!あんた、イカリ屋ケーキ店の息子なわけえええ!!」
「そ、そうだけど・・・。」

惣流アスカは立ち上がるとシンジの胸座を掴んでぐらぐらと揺さぶった。

「碇シンジ!あんた、私の一生のお願い、聞いてくれる?!」
「え?え?な、なにさ、いったい・・・。」
「ええい、うざったい!聞いてくれるかどうかを気いてんのよ。はっきり答えなさい!」
「え、うん。まあいいよ。」

密かに憎からず想っていたこの少女の言うことなら何でも聞いてやりたいが、ハイハイしっぽを振ったんでは沽券に関わるし。

「よし!碇シンジ!私にプロポーズしなさぁいっ!!」
「へ?」

「ええええええええええええ〜〜〜〜!!!!」

叫び声を上げたのは、教室中のみんなの方であった。

「プ、プロポーズウ?」
「そうよっ。はやくっ。」
「だって、それって好きな人にするもんだし、物事には順番ってものがあるしさ・・・・・。」
「・・・・なの。」
「え?」
「私じゃ不満なの、わたしじゃあ、いやだっていうの?!
私のこと好き、嫌い?どっちなのよ!」
「あ・・・、好きだよ。もちろん。可愛いし、さっそうとしてるし。」
「よっしゃああ!決まった。今日あんたの御両親に挨拶行くからね、一緒に帰るのよ!!」
「は、はい・・・・。」
「今日からは恋人同士なんだからね、ちゃんと・・・ちゃんと・・・・。」
「ど、どうしたの惣流さん。」
「あ、わたしってば・・・きゃあああーーーーーっ。」

バシッとほおに一撃。シンジは吹っ飛んだ。そのまま顔を両手で押さえてアスカは教室から飛び出していった。

「何なんだよ。女の子って・・・・・・・・。」



校庭の片隅にある小さな雑木林。通称「怠け乃森」。ここのベンチに腰掛けてアスカはため息をついていた。

「ああ、またやっちゃった。」

そこに、親友の洞木ヒカリがにやにやしながらやって来た。

「おやそこにいらっしゃるのは、碇アスカさんではありませんこと?おほほほ。」
「止めてよ、ヒカリ。今どっぷり後悔に浸ってるんだから。」
「また、ですか?」
「そうなのよ〜〜〜。」

ヒカリにしがみついて泣き声を上げるアスカ。

「碇のやつがケーキ屋のしかもイカリケーキ店の息子だって聞いたとたんに、あいつと暮らしてケーキ屋をやって余ったやつは食べ放題とかいう妄想が、頭いっぱいになっちゃって。どうしようヒカリー。」
「まあ、いいんじゃない?碇くんも勢いとはいえ好きだって言ってくれたんでしょ。アスカだってもともと碇くんのことちょっと気になってたんじゃない?」
「それはそうなんだけど・・・。あいつ、わたしのこと変な女だと思ったんじゃないかなあ。叩いちゃったし・・・。ぐす。」
「とにかくっ、当たって砕けろよ。行くだけ行ってみたら?」
「うん・・・。」




放課後、結局アスカは連れだってシンジの家を訪れた。

「さあ、あがってよ。」
「い、言われなくても上がるわよ・・・・。おじゃまします。」

その時、玄関を若い女性が通りかかった。

「あら、シンちゃん、お友・・・達・・・・。」
「ぁ、姉さん。この人、今度お付き合いすることになった。惣流アス・・。」
「きゃああああっ!!たいへんよぉぉっ!!シンちゃんがあああっ!!」

「なにごとだっ!」
「どうしたのっ!」
「ぼっちゃんがどうしましたっ。」

どやどやと家中の人間が二人を取り巻く。あわあわとわななく二人。

「こっ、これは!」
「シンちゃんこの女の子はどなたなの。あなたまさか、家に怒鳴り込まれるような真似をしたんじゃあ。」
「シンジ。おまえを見損なったぞ。」
「きゃー、シンちゃんがー。きゃー、シンちゃんがー。」

「みんな、待ってよ、聞いてよ!」

「こっ、これは!」
「シンちゃんこの女の子はどなたなの。あなたまさか、家に怒鳴り込まれるような真似をしたんじゃあ。」
「シンジ。おまえを見損なったぞ。」
「きゃー、シンちゃんがー。きゃー、シンちゃんがー。」

がやがやがやがやがや。

「もうっ。この人は惣流アスカさんだよっ!僕の彼女になったんだよっ!
今日からだけど。」

「かのじょおおおおっ???」

真っ赤っかになって俯いたまま立ち尽くすアスカであった。

「ごめんね、うちっていっつもこんな感じなんだ・・・。」
「すいませんねえ。せっかちな一家でして。」
「おまえがいかん、シンジ。はっきり最初から言うべきだったのだ。シナリオを作ってだな、それに沿って・・・。」
「きゃー、シンちゃんがー。きゃー、シンちゃんがー。」

でも、なんかすごく居心地のいい家だなあ。そう思ってニコニコしてしまうアスカだった。ここにお嫁に来るんなら幸せだなあ。

「でも、なあんでシンジだったわけぇ?お姉さんちょっち興味あるなあ。」
「うっ。」

まさかケーキに目が眩んで口走ったとは言えない。そりゃもともとちょっとは碇くんのことも、だけど・・・。




「いいか、アスカ。おまえはこれから地球という星に行って貰う。」
「はいっ。」
「その星でおまえは、愛と正義のために戦うのだ。おまえの父さんも、お姉さんも、ここで戦い、人生の伴侶を見つけたのだ。」
「はい、知っています。」
「なぜ、地球にいくかというと・・・われわれクリプトン星人は、クリプトン星人同士では子孫を残せないのだ。」
「はい。」
「だから、これはおまえの主人となる男を捜すたびでもあるのだ。クリプトン星人の繁栄のため頑張って欲しい。」
「はい!頑張りますっ!!」
「言うまでもないが、我々のの超能力は女性の場合・・・。」


それから私は父母と別れ、一人円盤に乗り、地球へやってきてアメリカという国で暮らし始めた。お父さんもお姉さんも、このニューヨークで伴侶を見つけた。金髪碧眼なのもそのせい。だけど他の国にも行ってみたいと思った私は、交換留学に申し込み日本にやってきたのだ。
そこで私はケーキというものに巡り合った。アメリカのケーキは油の固まりみたいで、甘いだけでちっとも美味しいものではなかった。
だが、日本のケーキは違った。何しろ美味しい。香りも、挟まったフルーツも、生クリームも、バタクリームも。スポンジも。私は一度に虜になり、美味しいケーキを求めて飛び回った。その結果巡り合ったのがイカリケーキ店だったのだ。その上、ちょっとぽわぽわな気持ちを抱いていた碇シンジの家となればもう願ったりかなったりだった。




「ねえ、アスカってば。きいてるの?」

はっと正気に戻った。いつのまにか私はシンジの部屋にいた。みんなはいなくなっていた。
シンジの部屋。クレー射撃の賞状やカップが並んでいる。壁にはおおきなオンナノコのピンナップ。

「へえ、あんた、綾波レイなんかが好きなんだ・・・。」

シンジは真っ赤になった。

「い、いや。なんか神秘的な雰囲気がいいなーって思ってさ。あの、『わたしとひとつになって』って歌もなんか切なげでいいなあって。」

シンジは慌てて立ち上がった。

「で、でももういいんだ。君っていう飛びっきりの女の子がぼくの、その、こっこっこっ恋人になってくれたんだから、もういらないんだ。」
「シンジ・・・私のことほんとに?」
「うん、本当は、君が転校してきた時からずっと。好きだったんだ。だけど僕なんか、射撃なんていう根暗なスポーツにしか取柄ないし。」
「そんなことないよ。あんた優しいし、笑顔が可愛いし、結構正義漢だし・・・。私、ずっとあんたのこと、見てたよ。」
「ほ、ほんとに?」

二人はショートケーキの上の苺のように真っ赤になって向かい合って座っていた。

「あ、そ、それにさ、ケーキ屋の息子なんて素敵じゃない、いつも残ったケーキ食べれるし、新作の試食もできるしさ。」
「そうそう、残ったクリームを丹念に取るだけでも食べ放題だよ。僕なんか離乳食は生クリームだったんだもの。」
「あっ、いいなあ。じゃあ私も、赤ちゃんが生まれたら生クリームやろうかなあ。」
「そうそう、僕がケーキ作って君が売り子して。看板若奥さんだよね。」
「二人で新作ケーキのデザインして。誕生日のケーキも作ってくれる?赤ちゃんのも、一本から段々増やしていって。」
「結婚記念日のケーキ、毎年焼くよ。」
「うれしいっ!」

自分達がとんでもないことを口走っていることにふと気づいた二人は、今度はフルーツケーキの上のさくらんぼのように真っ赤になった。


「あ、アスカ、ちゃん・・・・。」
「し、シンジ、くん・・・・・・。」


二人の顔が、磁石で引かれるように近づいて行く。息がふれあう。相手の熱い体温を感じる。うぶげが触れるような感触。
そして、くちびるが、ほんの微かに触れた。
そのとき、

ピリピリピリピリ〜〜〜〜!!

とアスカの頭の中に警報が鳴り響いた。アスカウルトラガードシステムが近くの犯罪を探知したのだ。

(「あああんっ、こんなときにいっ。」)
「ちょ、ちょっとごめんね、シンジ君。私急用ができたの。また、また遊びに来るからね。」

そういうと、アスカはばたばたと階段を飛び降りて、玄関から飛び出していった。

「おじゃましましたっ!」
「あら、晩御飯の準備をしたのに。」
「すみません、またうかがいますっ。」

そんな、会話が階下から聞こえた。

「嫌われちゃったかな。」


目を移すと、アスカの学校のカバンが置き去りになっていた。シンジはそのカバンを握ると、階段を駆け降り外に飛び出していった。
女の子の足だし、ここは一本道だから、すぐ見つかるはず。そう思ったが、アスカは大通りまで出てもいない。どこに?きょろきょろと捜すがどこにもいない。シンジはため息をつくと、いえにむかってぽてぽてと歩き始めた。

そのとき、ドカーンという大きな爆発音がした。

流れる金髪にマスク。真っ赤なレオタードに包まれたダイナマイトボディ、黒いストッキングとブーツに包まれた美しい脚線美。
ちらっと見ただけだが、シンジは思わず前かがみになって、行動の自由を奪われた。

「こっ、これは!!」

シンジは今こそ例の報告書の内容が嘘でないことを知った。

「あれが、ミラクルスーパーアスカか!!アスカ?金髪の・・・・まさか・・・。」

シンジはスーパーアスカが飛び立ったと思しきあたりを捜した。そこは大きな無人の屋敷の竹薮の中だった。がさっ、がさっ。薮の中をシンジはゆっくりと歩きまわる。シンジはついに捜していたものを見つけた。それは、ビニール袋に包まれた、シンジ達の高校の女の子の制服だった。
しかもそのセーラーの胸には3−A、37の番号バッジがあった。それは紛れもなくシンジのクラス3−Aの出席番号37、惣流アスカの制服だった。




高空に舞い上がったアスカは下界を眺めた。

「アスカスーパーアイ!!」

ピコピコと大きな赤い輝きが見える高速で移動しているようだ。アスカは石つぶてのようにその明滅に向かって急降下していった。

黒塗りの大型リムジンが前後左右を車に挟まれて走っている。と国道をそれて山道をたどり始めた。停車し周りの車の中からはばらばらとピストルを構えた男達が降り立つ。リムジンから、数人の人間が降り立つ。一人は青色のワンピースを着た、水色の髪の女の子だった。
男達は拳銃を構え直す。護衛の男達を撃つつもりだ!

「アスカフラーシュッ!!」

いきなり宙が護衛の後ろで爆発したように明るく輝く。目くらましだ。

「わああっ!」

男達は目を押さえてうずくまる。そこに護衛達が飛び掛かった、混戦になるが人数が半分もいない護衛側は不利だ。青い少女が転がるように下の国道めがけて駆け下りようとしている。
地面に降り立ったアスカは、マントを翻して男達の前に立ちふさがった。

「はーっはっはっは!私こそは正義の使者、人呼んで、ミラクルスーパーアスカ!!」
「おまえ、そんな格好で言ってて恥ずかしくないか?誰が呼んだっていうんだよ?」
「ええいっ、人が気にしていることをっ!」

長い金髪と真っ黒なマントがバサッと振り払われた。顔には黒い半マスク。手には長い鞭。そして細身のすらっとした身体は、今にも胸が弾けそうなダイナマイトバストとともに、真紅のぴったりとしたレオタードに包まれている。妖艶なまでの形のいい唇に、男ならだれしもがくらっとなりそうな、悩殺的な腰のラインから流れるような脚線美。いっせいに護衛も含め男達は腰を引く。

「護衛の人たちはこっち見ちゃ駄目よっ!!」

アスカはバサッとマントを脱ぎ捨てた。

「アスカミラクルボイス!ミラクルポーーズッ!」

男達の前でその必殺技が炸裂した。

「あ・・・ああ〜〜〜ん、もっとぉぉ・・・ん。」

同時にうねるような柔らかい肢体が、悩殺の決めポーズ!レオタードのく、食い込みがぁぁ〜〜〜〜っ!!!

ばん!ばんばんばん!!ぼんっ!

何かがはじけるような音が立て続けに山に響き、男達の悲鳴がこだました。


「ぁ、ありがとうございました。何とお礼を言ったらいいのか・・・。」
「あなた、もしかして、アイドルの綾波レイ?」
「はい、そうですが、なにか・・・。」
「ぁ、あたしのさ、彼が(きゃっ)あんたのファンなのよね。何か色紙とか、サインとかもらえないかなあ。」
「それは、お安い御用です。日向さん、お願い。」
「はいっ。」

呼ばれた男が背広を脱ぐ、ワイシャツの背中に、綾波レイとサインが書き込まれる。

「名前は?」
「あ、えーと、シンちゃんへって・・・。」
「彼氏、シンちゃんって言うんだ。いいな、私も彼氏が欲しい。いつかアイドル止めたらあなたちの通う学校に通おうかな。その時は、友達になってくれる?」
「うん、もちろん。携帯番号はねxxxxのxxxxxxだよ。」
「あ、わたしはxx、xxxxのxxxxxxだから。・・・・電話、していい?」
「もちろん。友達じゃない!」
「ありがとう。」
「じゃっ、またね!」

アスカは爆発したような輝きを残すと、レイのサイン入りワイシャツを抱えて垂直に空高く飛んでいって消えた。

その後到着した警察の検察医が首を捻った。襲った男達の傷がどうにも納得行かなかったのだ。男達はことごとく、下半身が血まみれ。海綿体が爆発したように断烈して、白目をむいてにんまりとして事切れていた。(死んでいたわけではないが・・・。)





碇家。食事が終わったあとの静かな一時。姉のミサトが部屋にはいってきた。

「シンちゃーん、あんた、アスカちゃんにもう振られたんだってー?急に帰っちゃったそうじゃない?」

灯かりはつけっぱなしだったが、部屋の中には誰もいなかった。机の上に黒いビニール袋がある。中を見たミサトは顔色を変えた。中には、女の子の制服と、インナー類までが入っていたからだ。

「シンちゃん、あんたって子は。」

ミサトはアスカの下着を握ってぶるぶると震えた。



同じ頃、珍しく誰にも迷惑を掛けずにミラクルスーパーアスカは竹薮に戻ってきていた。

「あれ?私の制服・・・どこに隠したんだっけ?おかしいな。」

四つん這いになってがさがさと制服を探し回るアスカ。スーパーアイで見ても見つからない。

「誰かが、持っていった?」

困った。この格好ではシンジのところに忘れてきた学生カバンも取りに帰れない。
その時、庭の向こうの空き家から、微かな音がしたのをアスカイヤーは、聞き逃さなかった。誰かがこちらを見ている!

空き家の中からは、シンジがゴロゴ13の形見のM21でアスカの頭に照準を合わせていた。スターライトスコープのおかげで視野は真昼のように明るい。弾丸には、特殊な鉄甲弾を使っており、中には炸薬と有名なスーパーマンキラー、クリプトンが仕込まれている。アスカの目がこちらを確認し、そして目をつぶった。シンジは混乱した。アスカは僕に命を託そうというの?
シンジの指に力が入っていく。幼い頃からの訓練で、スコープの中に入った目標を撃つことに何のためらいもないシンジだった。
だが、今日は違う・・・。狙っているのは自分の恋人の命。スーパーアスカといえどもこの距離からの狙撃でしかもその超能力を無力化する物質と一緒では避けようがないだろう。これで、爺さんの依頼をはたすことができる・・・。

シンジは叫んだ。

「アスカッ!避けてっ!!」

まるで酔ったように死に手を引かれていたアスカが飛びのいたのと、シンジが引き金を引くのは同時だった。ぼしゅっ。弾丸はアスカの遥か後ろの地面に食い込んだ。シンジは雨戸を開けた。アスカが近寄ってくる。

「あんたが私を狙っている狙撃者だったなんて。」
「知らなかったんだ。君がスーパーアスカだなんて。さあ。僕をやっつけて・・・。」

ふわり、とアスカはシンジのすぐ正面にマントを舞い上げて降り立った。

「なんのこと。私達はここでデートをしてただけでしょ。あなたは私を撃てたのに撃たなかった。それでいいじゃない。」
「アスカちゃん。」
「シンジ・・・くん。」

二人は、月光の中でマントにくるまれ、熱いくちづけを交わした。

「僕たち・・・何時までも一緒にいられるかな。」
「あたりまえじゃない。」

シンジは堅くアスカを抱きしめた。アスカの口から吐息と、微かな声が漏れた。

「僕の、ものになって。」
「うん・・。」




夜遅くになって、シンジは窓からそっと自分の部屋に忍び込んだ。そして、アスカの制服の入った袋と、学生カバンを持って再び窓から外へ。

「待ちなさい。」

ぎくっ。

「な、なあに、ミサト姉さん。」
「どうしてここにアスカちゃんの制服やカバンがあるの?あんたアスカちゃんを着替えさせて、高校生では行けないようなところに行ったわね。」
「こ、高校生で行けないようなところってどこさ・・・。」
「た、たとえば、あの、その、恋人達が行くようなとことかさ。」
「い、今時そんなとこ、制服で平気で入ってるよ。姉さんが言ってるのって、ラブ・・・。」
「いやあああっ!聞きたくないっ、私の可愛いシンちゃんがそんなとこに行ってるなんてっ。」
「ご、誤解だよねえさん。」
「ごかいもろっかいもあるかっ!」

ミサトの追求は激しかった。慌てたシンジはいわんでもいいことを口走った。

「何でもないって!ぼ、僕行くよ!アスカがかぜひいちゃう。」
「な、なんで風邪引くの!なんで風邪引く格好なんかしてるのよおおおおっ!!」

シンジの姿はたちまち闇に消えた。

ミサトは窓から身を乗り出して、可愛い弟の跡を追ったが、もう何も見えなかった。ミサトは力が抜けてそこにぺたんとすわりこんだ。

「はああ。私も、加持のとこのお嫁に行こうかなあ・・・。」


アスカは、雨戸の隙間から差し込んでくる月の光の中にいた。夜空の星が輝き、故郷を出る時の父母との会話を思い出す。


「だから、これはおまえの主人となる男を捜すたびでもあるのだ。クリプトン星人の繁栄のため頑張って欲しい。」
「はい!頑張りますっ!!」
「言うまでもないが、我々のの超能力は女性の場合・・・。」


「お父さん。お母さん。アスカは、人生の伴侶を見つけました。必ずこの地球で幸せになります。見守っていてくださいね。」

マントだけを身体に巻きつけて、アスカはシンジの帰りを待っていた。クリプトン星人の女性は伴侶と結ばれると全ての超能力を失う。明日からは、ミラクルスーパーアスカではなく、只のアスカとして残りの人生を送ることになるのだ。




深夜の電話。

「はい、商工会議所の・・・・だが。」
「ゴロゴだ。」
「おお!首尾はいかがでしたか。」
「失敗した。アスカを殺すことはできなかった。」
「ころす?われわれは、あなたにそんな事を依頼してはいないぞ。」
「?、たしかにスーパーアスカを殺って欲しいといわれたと思うが。」
「そうだ。我々はやって欲しいと頼んだ。」
「だから、殺って欲しいと・・・・。」
「やってほしいとたしかに。」
「どういう事なんだ!!」
「あんたの爺さんのゴロゴ13とは長い付き合いだ。我々は調査の末、クリプトンの女が処女を失うと超能力を失うことを突き止め、あのスーパーアスカの暴虐を押し留めるために、爺さんに依頼した。だがあんたの爺さんは、もう年だしむりだという、そして我々に、替わりに孫息子に依頼するように言った。あまりもてないし、アスカとそういう関係になってついでに嫁になってくれれば万々歳と。」

電話は叩き切られた。







10年の月日が流れた。イカリマークのケーキ屋は、今も馬車道で大変繁盛している。昔と違うのは店頭で先頭に立って働いているのは金髪碧眼の美しい若奥さんだということだろう。PIYOPIYOエプロンに身を固め、輝く金髪と青い目が、いかにも本場のケーキという雰囲気を漂わせてくれるのだ。前にもまして大繁盛であった。
店の裏手にある碇家の庭ではまだまだ美しい先代の奥さんと人相の悪い先代が幼い孫達と遊んでいるのを見ることもできる。
孫達の中の一番年長の女の子が、どこからか黒いマントを持ってきて、正義の味方ごっこに興じている。

「えーい!ツバサフラーッシュッ!!」

ボム!!

大きな音がして、強烈な閃光が輝いた。びっくりした様子で店からアスカとシンジが飛び出して来た。庭にいた子供たちと先代夫婦が目を回している。

「あちゃーーー。」
「そろそろ、封印しとかなくちゃね。年頃になるまで。」




そんな訳で、碇家の3人の娘達は埃のようなクリプトンライトを仕込んだネックレスを、お守りのように首にかけているんだそうだ。











超少女ミラクルスーパーアスカ:終


後書き

柴レイさん、ホームページ開設おめでとうございます。開業記念にLASを一編、贈らせて頂きます。
もし、このおやじギャグが、柴さんのHPの雰囲気をぶち壊しにしないとお思いでしたら、掲載なさってくださいませ。ちょっとえっちいかなぁ。許容範囲だといいんですけど。
柴レイさんのお好きなレイも、私の作品では珍しく出演しています。もっと活躍させようと思ったんですけどね。
ちょっと時間が足りませんでした。

それでは今後のHP拡充を心より祈って。         こめどころ輩。



こめどころさんから、痛快LASストーリーを頂きました。(^^)
元気いっぱい!!でもシンちゃんにはメロメロ・・・・ついでにケーキにもメロメロなアスカ様。
最後は二人で幸せな家庭を築きましたとさ。という後口のさわやかさがとても素敵ですね。
レイちゃんの特別ゲスト出演もよかったです。ついでに可愛いゲンパパも
(^o^)
こめどころさん、本当にありがとうございました。これからも楽しいLASストーリで楽しませてくださいね。

それにしても、アスカ様のセクシーポーズで悶絶した男達がちょっち羨ましいような
あうう・・・・私もおやじだなぁ(^_^;)

 

2008/05/13 アスカの旗の下に 2nd Flagへ再録

こめどころさんに感想メールをお願いします。m(__)m

 


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