As.−Treat me nice

『bonanzagram / 朝』

komedokoro


 

 

 

 

 

2019-12-23/朝7:20

 

 

 

 

 

部屋の遮光カーテンが開かれると、レースカーテン越しに眩しい光が部屋に溢れ返った。更に窓を半分開け、しばし空気を入れ替える。冬の関東独特の真っ青な叩くと金属音がしそうな空だった。
窓を開けたまま、シンジはベッドの上に屈み込み『恋人』の耳もとに囁いた。

 

「おはよう、アスカ。」
「シンジ・・・。昨日もどこに行っちゃってたのよ。心配したんだからね!」
「ごめん、ちょっとね。」
「ちょっとって・・嫌らしいんだ、どうせ悪い所にでもいってたんでしょ。」

 

相変わらず鋭いな。と舌を巻くがアスカにしてみるとプレッシャーが解けてむしろ機嫌がいい。昔のやり取りが戻って来たようにシンジは思った。ここ迄アスカを苦しませなくてもこのままで十分幸せなような気もする。
だが、これも2人の為だ。

 

「アスカ、頼みがあるんだけど。」
「なあに。」
「朝食が終ってからでいいんだけど・・・僕の爪を切ってもらえない?」

 

不思議そうな顏をするアスカ。

 

「いいけど・・・何故?」
「これの為・・・。」

 

言いざま、シンジの口が明日香の唇を啄み、更に舌をからめる。

 

「んっ!」

 

抵抗しようとしたが、毛布ごと身体を巻かれるように抱かれているので手も動かせない。その間にもシンジの舌がアスカの口の中を動き回る。

 

・・・まだ、口も濯いでないのに。

 

羞恥が顔を染める。勿論口臭があったりする訳ではないが、ひどく抵抗感がある行為と言える。だがそれも一瞬の事で、身を任せているしかないとなれば、つい少年の行為に応じてしまう。
まして寝起きで頭に霞がかかったような状態となれば、次第に夢見心地の愛撫にエスカレートしていくのは当然とも言えた。
スチームの、やや寝苦しいくらいにこもっていた部屋の熱気が、窓から流れ出していってしまっても、熱くなった身体はそれを感じはしなかった。
かなり長いキスが続き、毛布の上からの歯がゆい愛撫が、アスカの肢体に十分なまでの種火を付けていた。

 

熱い吐息。

 

それを確認してからシンジはアスカの身体から毛布を外した。
シンジの指が胸元を走ると、パジャマの前がもうはだけられていて、愛らしいピンクの乳首がさらなる愛撫を求めて震えるようにしこっている。
アスカの両腕がそこを包むより早くシンジの舌先と唇がそれを口に含んでいた。
声を立てぬままに胸を強くシンジに押し付けていた。同時にパジャマのズボンがお尻の下まで引き下げられている。

 

(「ちょ、ちょっと! こんな朝っぱらから!」)

 

驚いて目を見開くアスカ。だが既にシンジの送り込んでくる胸からの快感が、抗いがたい迄にアスカの中を巡っていた。下腹部と脇腹を充分撫でさすると、ショーツのゴムをくぐり抜けて、アスカの柔らかい丘の向うのスリットに、シンジの指は、あっというまに吸い込まれていた。

 

「あっ、いやあんっ。」

 

急襲に身体をよじらせて息を吐くまだいたいけな雰囲気を残す少女。桜色の身体が反射的に跳ねると、金色の髪が朝の日射しに煌めく。仰け反った細く長い首筋に黒バンドに金の飾りの付いた、可憐にして妖艶なチョーカーが、半裸の身体に映えて輝く。

 

「シンジのいじわる・・・。」
「うん?」
「どうして・・・あたしの恥ずかしがるとこばかり触るの?」
「そんなことないよ。ほら、朝はこんなにたっぷり濡れてるじゃない。」
「ば、ばか! そんなの朝だもの、仕方ないじゃないの・・・。」

 

そんな会話を交わしながらも、局部への愛撫は一瞬も止まらない。
見る見るうちに少女の顔は上気し、しどけない艶が男を招くように色めく。

 

「は、・・・ふぅ。・・・あ、あ、んっ。」
「アスカ、可愛いよ。ふふ・・」
「ひゃんっ!」

 

指が、本格的に愛撫を始めるとアスカの理性が一気に吹き飛びはじめている。
先ずはくの字型に身体を抱えてアスカにも見えるような姿勢で陰部に対して愛撫を開始する。

 

「ほら、窓開け放してるから声は立てちゃ駄目だよ。」

 

だ、だって・・・と、思わず泣き声を上げそうになる。

 

「こんな明るい所で、見ちゃ、いやぁ・・・。」

 

構わず習い憶えた指の技巧をアスカに施しはじめる。十分すぎるほどアスカが昂ったところで、横抱きにしていた身体をベッドに横たえ脚を大きく開かせた。
雪を欺くような純白に輝くアスカの奥腿が、今度はシンジを昂らせる。

 

「あっ、ああんっ!」


運動用の灰色のスポーツショーツ。その素っ気無い迄の機能性がシンジをむしろ昂らせた。くるりとそれをひっくり返すと、すっと大腿部の途中まで引き降ろす。みるみるうちに恥ずかしい粘液が溢れ、ショーツの上にこぼれる。

 

「だ、だめっ・・・あっ、あふうっ。」

 

シンジの顔が一気に下腹部まで下がり、今まで愛撫した事の無い鼠蹊部に口を付けて舐めはじめた。あまりの事にアスカは飛び上がって大声で叫びそうになった。

 

「きゃ、だ、だめっ、む。」

 

シンジの濡れそぼったままの指と手が、アスカの口を押さえた。確かに窓が開いているのに、この大声を出せば、何ごとかとミサトが駆け付けてくる怖れがある。

 

「しーっ。静かにね、アスカ。」

 

極上の笑顔。この笑顔が好きになっちゃったんだろうなあ、と思う。しかし今、事態は急展開している。抵抗できないまま、アスカはこの燦々と朝日が降り注ぐ中で、全てを曝け出す事に・・・抵抗する力が全て、先ほどの濡れそぼったシンジの指に吸い取られていくんだ。・・・あんなに・・・あんなにもの凄く濡れてるんだ。この、シンジの指を、学校で愛撫される時のように拒めない。

だめッ、何も考えられないっ!くぅ、くぅ、く、あああん!だめ・・っ!
見、見ちゃいやあああ・・・・!

必死で股間を手で押さえ付けるが、ガクガク震えている脚に全く力が入らない。
その力の入らない手を、シンジはあっさり払い除けた。

 

「見られてる、見られてる、見られてる、見られてる、見られてるぅ。あそこを、誰にも見せた事の無い恥ずかしい場所を。指で弄ばれて、愛液をだらだら湧きださせてるままのあそこを、シンジが見てる。」

 

ぞくぞくっと身体に、恥ずかしい迄の 強い快感が走った。
見られていると意識する度に、身体中に奇妙な痙攣が走る。今まで感じた事のない、疼きと快感と、もっと凄い衝動が身体の奥から・・・何。これ何? 息が荒れ、乳首と乳房がつんと尖り、白濁した粘液が溢れて来た。

 

「アスカ、とっても綺麗だよ。君の唇と同じ色をしてるんだね。」
「ばっ・・・」

 

シンジの声に、アスカは羞恥の塊みたいになって叫ぼうとした。その途端。

 

「くちゅ。」

 

鋭い感覚が飛んだ。

 

「えっ? ええっ!・・・っ。」
「くちゅ、ぴちゃ。」
「あ、」
「はむ、ぺちゃ。」
「ああっ。い、いや・・・」

 

シンジが何をしたのかが一瞬で分かった。今迄の生涯で一度も感じた事の無い感触。信じられない快感と慄然とするショック。全身に文字どおり痙攣が走り、指先から抜けていった。稲妻のような衝撃が、アスカの背筋を一気に走り抜け、脳天から噴き出した。

 

『あきいいいいぃぃぃぃぃ、あうっあふっ、ああぁぁぁぁぁぁっ! 』

 

シンジが思わず咄嗟に顔を避けた程激しくアスカの腰が跳ね上がった。たっぷり5秒間、アスカは腰を突き出すような形で弓なりに反り上がリ続けた。息を全て吐き出したあとも、呼吸を忘れたように喘ぎ口を開けたまま・・・
がくッと、突然その細い身体から力が抜けた。半分目を閉じたまま、ふるふると、身体中が細かく震え続けている。

 

「アスカ! アスカ! 」

 

さすがに慌てたシンジが何回か軽く頬をぺちぺちと叩いた。頬と身体中が真っ赤に染め上げられていて、ぷつぷつと唇から音が漏れ続けている。漸く、弛緩した四肢が、しどけなく投げ出され、激しく胸が上下し続けていた。詰まっていた息が、ようやく解除されて呼吸が戻って来た。

 

「はあっ! はあっ! はあっ! はあっ! はあっ!」

 

どんどんどん!
激しくドアをノックする音が響き、シンジが振り返る。

 

「ねえッ! 今の悲鳴は何? 何かあったの!」

 

ミサトだ。あの声なら少なくともマンションの近隣には全て聞こえただろう。

 

「あ、ゴキブリです! ゴキブリがでたんでアスカが凄い悲鳴を。」
「ええっ、ごきぶり? 大丈夫なんでしょうね。他の部屋に逃げなかった?」
「だいじょうぶ、やっつけましたから。」

 

ミサトが引き上げるのと殆ど同時に、アスカが意識を取り戻した。
しばらくぼんやりと何処かを漂っているような表情をしていたが、そこにシンジがいるのに気づくと、胸元を慌ててかき寄せた。上半身全部を、茜色に近い程、真っ赤に染め上げたまま、アスカは、かぼそい音色の声で尋ねた。

 

「シンジ・・・あたし・・・どうしちゃったの・・・。」

 

深刻な顔をして、アスカはシンジを不安げに見つめて尋ねた。

 

「どこか・・・おかしいんじゃない? あたし。・・だって、・・・だって。色情狂とか、そんなんじゃない? あ、ああ、あんなことされて、感じ過ぎて変になっちゃうなんて・・・?」
「大丈夫アスカ。敏感な子は、大人になると皆ああいう事が起きるんだよ。ああいうのをエクスタシーって言うんだ。普通の事なんだ。ちっとも変な事じゃないんだよ、アスカ。」

 

涙が溢れかけている。よほど不安だったのだろう。
考えてみたらアスカは同年代の娘とは切り離されている。せめて以前のようにヒカリ達といれば、女の子達なりに猥談などをする事もあったろうけれど、学年をもう一度繰り返さなければならなくなった時に、その可能性は消えた。一学年下の娘達にとっては、憧れの素晴らしい先輩であったアスカに、同級生になったからといって気軽に話し掛ける子はいなかった。

 

「ホントに?あたしだけがおかしいんじゃなくて? ミサトもそう?」
「た、たぶんね。加持さんは上手そうな感じだったし。」
「あんな、汚いとこに口つけて、舐めるなんて。」

 

自分にされた事をもう一度反芻すると、羞恥のあまり顔が上げられない。

 

「指と、口・・・だけであんなになってしまったなんて。はしたない娘だと思ったでしょ、嫌らしい、恥知らずな娘だって・・・。」
「僕が好きでそうしたんだ。アスカが可愛いから、身体のどんな所でも愛してるから、君の、大事な部分を口と舌で愛撫して、アスカの事食べ物みたいに味わいたいって思ったから。僕が嫌らしくて、恥知らずなんだ。身体中のの全ての器官で、君を知りたいんだ。アスカを愛してるんだ。」
「そんな事・・・本気で言ってくれてるの。」
「君がそうして欲しいなら、そこのベランダから外に向かって叫んでもいい。僕の唇が、舌が、目が、頬が、指が、身体中の肌が、そして僕の性器が、君と、アスカといつでも一つになりたがって、一瞬でも君と離れていたがらないんだ。」

 

そう言って、シンジはアスカにさっき迄アスカを愛撫していた、彼の手を差し出した。アスカはその手を両手で抱えるように取った。かき合わせていたパジャマの前が開いて、綺麗な胸もとから、柔らかいお腹と優しい下腹部と、燃えるように紅い柔毛、筋肉を白い脂肪が包んだ、元気でまっすぐな腿と臑、その全てが、シンジの目に入った。
シンジは、その手をアスカの胸のまん中に押し付けると、真直ぐにそれでアスカの身体を感じながら引き降ろしていった。
手のひらに感ずる,アスカの柔らかい弾力、優しい感触。そのまま膝を付いて腿迄の感触を全てその手のひらに納め、もう一度立ち上がった。アスカがその手その腕を抱き締める。

 

「ほんとうに、きれいだよ、僕のアスカ。」

 

アスカの後ろでレースのカーテンが風に旗めく。一緒に舞い上がった金色の髪を朝の日射しが包んで、haloのように眩しく輝き、アスカを包んだ。

 

「嬉しい。嬉しいよ・・・シンジ・・・」

 

アスカの瞳から水色に光る涙がぱらぱらと零れた。湧き上がる涙は頬を濡らした。
シンジの手をアスカは引き寄せ、一本一本を口に銜えてしゃぶるように、その可愛らしい舌で、愛撫するように舐めていった。その優しい感触がシンジの頭から爪先に迄、ぞくぞくするような快感をもたらした。シンジの男の持ち物は射精寸前迄に膨れあがり、背筋に何回も衝動が走った。彼はアスカの愛撫を天井を向いて必死になって耐えた。
アスカの方からキス以外の愛撫を受けたのは初めてだった。彼女に何かしてもらう事が、こんなに気持ちのいい事だったなんて知らなかった。

 

「アスカ・・アスカ・・・僕もう爆発しちゃいそうだよ。・・・もう止めて・・・」
「だめ、シンジお願い。最後まで・・・あなたを綺麗にさせて。それにあたしも・・もう、引き返せない・・・・・・もう、切ない。せつないの・・・一緒に・・・一緒に、ね・・・」

 

シンジは正面に顔を向け、アスカを見た。白く戻っていた身体は再び染まり、眉間に皺を寄せ、真っ赤に顔を上気させて、愛しいシンジの指をくわえて舌を震わせているアスカがいた。

 

「はああっ、ん・・はあっ、うん、あふ、・・・はあっはあっ、あむ・・・」

 

腰をよじり微かに太腿をすりあわせ、そこは銀色に濡れ、輝いていた。時々、耐えられなくなったように、片手が降りていき白い指がうごめく。
仰け反らす首筋が膨れあがり、黒のチョーカーが、食い込んだようにそこを絞めている。
それは物凄く扇情的で、少年は、自分がもう幾らも耐えられない事が分かり、彼も彼女のスリットに手を伸ばし、愛撫した。
彼女の腰の内側の脚の付け根に並ぶ、筋肉の筋のような場所を刺激したりもした。
その度アスカは叫びを上げたり、息を飲んだり、激しく頭を振ったりした。

 

そして、最後の左手の薬指を彼女が口の中に納め、やがて、あまりの切なさに耐えられなくなって、シンジの指に歯を立てた。

 

「はあっ。はあっ、は、は、はふっ、シンジ、ッ! あたしもう、もうだめっ!」

 

アスカがそう言った途端に、シンジの鋼のようになったあそこが、鞭で叩かれた様に跳ねた。そのアスカの爛れ切った声に反応し、びくびくと蠢いた。
アスカの丸いお尻をかき寄せて自分の腰に擦り付け、自分を伝えた。アスカの腰も焦れ切っていたようにシンジの形を求めて激しく蠢いた。
巨大な塊が吐き出されたのを感じ、お互いの頭と腰の芯が一度に持っていかれた。

 

「アスカッ! 僕もうだめだっ!」

 

シンジはアスカの全身が砕けるんじゃないかと思った程、力一杯彼女を抱きしめた。
耳もとで、彼女の絶叫が聞こえた。いつもと違う、ソプラノの美しい声だと思った。
その遠くから聞こえているような声。互いに感応したとしか思えなかった。
アスカとシンジは互いの性器を激しく擦り合わせた。焦れに焦れた若い肢体は、気が狂いそうな程相手を求めて反応し、爆発した。

 

「あ、ああああっ、ああああああっ! はああああっ、シンジいいいぃぃぃ!」
「うっ、あっ、あっアスカ、アスカッ。」

 

彼等は、固く抱きしめあったまま、棒のように身体を硬直させ、震わせた。
シンジとアスカは互いを求めたまま絶頂に達し、激しく射精し、子宮を収縮させた。
そして、その場に、立っていられなくなって崩れ落ちた。
滾るような若者の性臭と熱気が、むっとする程に立ちこめ、2人はそれに酔った。
激しい息遣いだけが聞こえ、呻くような2人の溜息が時たまそれに混じった。
ぷつぷつと、まぶたを半分閉じて何処かへ飛んでしまったアスカ。
その状態の裸のアスカのを抱きかかえ、シンジは妙に冷静にズボンの中をゆっくり流れていく精液の感触をひんやりと感じていた。
そして、抱きかかえているアスカの長い金髪を一生懸命撫でていた。
まるでそうする事で彼女が早く目を醒ますかのように、一生懸命。

 

 

 

 

 

「今日はもう・・・学校は無理・・・だよね。」
「あ・・・うん。・・・そうね。」

 

シンジとアスカはその後、酷い格好でキッチンに出て来た。
当然の事ながらミサトはとっくにいなかった。アスカが長い事シャワーを浴びてその後から、シンジもいつもより熱いお湯を浴びた。たっぷり10分程、それはシンジにしては破格に長い時間だった。
先に上がったアスカが、ソファの上にシンジのカッターシャツを羽織っただけで横座していた。濡れた髪がシャツを濡らしている。表情がまだぼーっとしたまま、夢の中をたゆたっているようにみえた。濡らさないようにと外したチョーカーが机の上に置かれている。頸の周りに輪のようにその跡が赤く付いている。湯上がりの為か、その色が鮮やかに白い頸に浮んでいる。最初に選ぼうとした赤いチョーカーのようにその痣は見えた。

 

「シンジ・・・。」

 

視線が合わぬままに、アスカが呼び掛けた。

 

「うん?」
「この痣の上にシンジの痣を押して・・・。」
「うん・・・。」

 

どう言う事かよく分からなかったが、アスカを抱き寄せると痣なった場所に唇を当てて、しっかりと吸い上げた。唇を離すと綺麗に赤く丸い痣が付いた。

 

鏡に写したその痣をアスカはうっとりしたように眺め、指でそっと撫でていた。
そして、自分でチョーカーを填めようとしてから、僕を呼んで付けてくれるよう頼んだ。飾りの付いた黒のベルベットと金の玉飾りと小さなチェーンがアスカの長い頸にぴったりとはまる。

 

「シンジのものになった印なんでしょ? これ・・・」
「・・・どうしてわかったの?」
「あなたの・・・指をしゃぶっている時に分かったの。こんな・・・あたしのにまみれちゃった指に吸い付いて舐めているのがどうして嬉しくて震えるのかって。あたしを愛撫するあなたの指で、それに応えられたあたしの・・・だから嬉しいんだって。それが、あたしの、シンジを愛している証だから嬉しいんだって。あなたは、私をあなたの物に、所有物にしたいんじゃない? これは、あなたがその愛のためにあたしにつけさせた、鎖のシンボルなんじゃないかって・・・。急に分かったの。あなたのものになって恥ずかしい真似をしている自分が嬉しかったから、だからわかったの。」

 

アスカの青い眼が、溶けそうな程潤んでいる。

 

「だから、あたしの方からも望んだの。鎖をつけられる事を。その証の為の痣。」
「アスカ・・・。」

 

シンジはアスカを抱き寄せ、その優美な身体を自分のカッターの上からなでさすって、愛撫した。アスカの指が、シンジの指をとった。同時にシンジはアスカを横抱きにかかえ上げて、膝の上に載せてソファーに腰を降ろした。長い深いキスを交わし、互いの唇を舐めあった。シャツを隔てた、歯がゆい身体への愛撫が、官能を更に燃え上げさせる。

 

「これは・・あたしを愛撫する指、あたしを鳴かせる指、あたしを燃え上がらす指。あたしの髪を掻き揚げ、あたしの夢を乱す指・・・。この指はあたしのもの・・・。だから・・これから毎朝、あたしが磨いてあげる。だからこれであたしを愛して。」
「今からでも・・・いいかい?」
「いいよ・・・あたし、もう・・・こんなに濡れてるもの・・・誕生日からこっち、泣いても、嫌がっても、学校で、公園で、歩きながらでも、買い物をしながらでも。ずっと可愛がっていてくれたのは、このため?」
「エレベーターの中で、放課後の教室で、準備室で、君が泣くまで愛撫したね。」
「いじわるされてるんだと・・・ずッと、思ってたの。」
「悲しかった?」
「悲しかった。でも、もう違うから。だから・・・あたしが乱れきってどろどろになって叫ぶまで、どこででも愛して。あたし・・・シンジに所有されたい。」

 

 

残ったbonanzagram のwordは、あとわずかだった。

 

 

 

 

 

21-03-2002 / As.11


【bonanzagram】文中の所々の文字を隠し、何を隠したかあてる言葉のクイズ