留学生アスカ/海女の湯から愛を込めて

      こめどころ





1. お話のはじまり


さて。あなたは神を信じますかぁ〜〜?
運命は信じますか〜?
巡り合わせとか、あらかじめ決まっている恋人とか、占いとか救霊予定説とかは?
手相とか、タロットとか、占星術とか、トランプ占いとか、甲骨占いとかは?
実際そんなものがあるかどうか分かりませんが、不思議な導きを信じたくなる様な
事は貴方にも経験があるでしょう。

ここに一人の Key Person がいます。名前はアスカ・惣流・ラングレー。
この娘が大人しくじっと今のの生活を守ろうとしているような娘であったならば、
今から始めるお話は永遠に書かれる事はなかった訳ですが。
『運命』か『必然』かのどちらかが、ある日彼女に働きかけたのでありました。






 スクールバスは、アスカのうちのすぐ隣の角で止まる。メタセコイアが3本。
バスから飛び下りて友達と別れるとそこはもううちの前だ。

「たっだいま〜っ!」

玄関を入ると、階段に腰掛けアスカの母キョウコがニコニコしながら手を振って
いる。さっきのメタセコイアを日本から持ってかえって来たのは彼女である。
手に、書類を持っていた。
いい知らせがある時は、必ず階段に座ってアスカの帰りを待っている癖がある。

「どうしたの?ごきげんね、ママ。」

「ねぇアスカ、これを見て御覧なさい。」

それはパンフレットのようだった。封筒には漢字で「・・・高等学校」と書かれて
いるのが見える。
ほんの少しだが簡単な漢字なら読めるのだ。
小さい頃、一緒に暮らした祖母が教えてくれた。祖母の若い頃の写真を見てみると、
長い黒髪のちょっと気の強そうな、きりっとした美人だ。誰に言われるまでもなく、
この写真を見ると自分にそっくりの色違いというのがわかる。
アスカはパンフレットを一生懸命読みはじめた。

「あなた、ここに暫く短期留学して来ない?気に入ったら成績次第で2年間の長期
留学に切り替える事も可、なんだって。」

アスカの母キョウコは、つまり日本人とドイツ人との混血で、たった一度だけ何年
かを過ごした日本に対して憧れを持っている。
アスカ自身も、そんな母の影響を受けてみた事もない日本と言う国に興味がある。
キョウコはアスカに短期留学を勧めており日本と言う国を娘にもよく知ってもらい
たいと思っている。その他にも色々と思惑があるようだが、まだよく分からない。

だが、パンフから顔を上げたアスカは言い放った。

「すぐ申し込みしましょ!ママ!」



アスカ :じゃじゃ〜ん♪
レイ  :いきなり、壊れているのね(T_T)
アスカ :違うわよ! またまた、あたしが主役の連載が始まったのよ♪
レイ  :いつも、アスカばっかり……。
アスカ :仕方ないじゃな〜い。ファンが多いんだから(^^)
レイ  :でも、ファン投票は2位……。
アスカ :う、うっるさいわねぇ(-_-;)
レイ  :赤毛サル、海外へ追放。
アスカ :そうじゃなくて、留学するのよ!
レイ  :……ちっ(-.-)
アスカ :何? その「ちっ」は。
レイ  :留学してこなければいいのに……。
アスカ :どうして?
レイ  :そうすれば、碇君は私のもの(-.-)
アスカ :……ぜ〜ったい、留学するんだから!

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